無垢の家は30年後どうなる?経年変化と美しさを保つメンテナンス方法とは
無垢材を使用した家は、自然の温もりと独自の風合いが魅力ですが、長く住んでいれば経年による変化も避けられません。
無垢の家は、経年によってどのように変化していくかご存じでしょうか?
無垢材は木材特有の色の変化や質感の変化を楽しめる一方で、変わらない美しさを保つためには、やはりメンテナンスも必要です。
今回は、無垢材の経年による変化を詳しく解説するとともに、30年先でも美しく快適な住まいを保つためのメンテナンスのコツについてご紹介します。
無垢材や無垢の家を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事のポイント
- 無垢の家のメリットとデメリットをご紹介します。
- 無垢の家の経年変化やデメリットをご紹介します。
- 無垢の家の美しく保つコツをご紹介します。
目次
無垢の家とは?|メリットとデメリット
無垢の家とは、主に無垢材を使った家のこと。
無垢材とは、接着や化学処理を行わずに天然の木材を加工したもので、一本の木から切り出された純粋な木材のことを言います。
無垢の家の魅力
無垢材は、木材同士を接着剤などで貼り合わせた合板や集成材とは違い、木の温かさや匂い、木そのものの自然な風合いや色合い、節などの個性を楽しめるのが特徴。
切り出した木材をそのまま使うため品質や木の風合いにバラつきが出ますが、一本一本の木材が異なる表情を持つため唯一無二のデザインが生まれます。
時間とともに木材が持つ特有の色や質感が変わり、その変化をも楽しめるのも無垢材の魅力のひとつです。
無垢の家のメリット
無垢の家には木の温かみや質感以外にも、さまざまなメリットがあります。
- 調湿作用がある
- 丈夫で長持ちしつつ経年変化も楽しめる
- 人の体に優しい
調湿作用がある
無垢材は優れた調湿作用を持っており、湿度が高い夏には湿気を吸収し、乾燥する冬には湿気を放出するため、年間を通じて室内の湿度を快適に保つ効果があります。
自然の湿度調整機能により、部屋全体の空気が常に心地よく、肌触りも快適。
結露やカビの発生も防ぎやすく、合板のフローリングとは異なる、自然素材ならではの機能性と居心地の良い空間が作れるでしょう。
丈夫で長持ちしつつ経年変化も楽しめる
無垢材は、強度としなやかさを兼ね備えた丈夫な素材なので、長年使い続けても壊れにくいという特徴があります。
そのため、無垢材の家具は一生モノとも言われ、テーブルや椅子など毎日使う家具にも最適。使い込むほどに色や艶が深まり、経年変化を楽しむことができる素材でもあります。
年月とともに風合いが増し、住まいや家具がまるで家族と共に成長していくような感覚を味わえるのも無垢材の大きな魅力です。
人の体に優しい
無垢の家は、天然木を切り出した木材をそのまま使用するため、化学接着剤を使用する合板や複合フローリングと比べ、体に優しい素材です。
自然の風合いと調湿作用も加わって、自然な空気に包まれたような室内環境を作り出すことも。
敏感な体質の方や小さなお子さん、ペットがいる家庭にも適している素材です。
無垢の家のデメリット
無垢材はメリットばかりではなく、意外とデメリットがあることも知っておいてください。
- 傷や水分に弱い
- 保温家電などが直接使えない
- コストがかかる
傷や水分に弱い
無垢材は、自然素材ゆえに傷や水分に弱いという特徴があります。
特に柔らかいスギやパインの無垢材は、ちょっとした衝撃で凹みやすく、ペットの爪痕や物を落とすなど住んでいく上での痕跡が残りやすい傾向があります。
また、無垢材は多くの気孔を持っており水分が浸透しやすいため、こぼした液体や水分があるものを放置すれば、シミや変形の原因にも。
水場に近い場所で取り入れる場合には、耐水性の高い樹種やウレタン塗装などで保護して使用することが大切です。
保温家電などが直接使えない
無垢材を使用したフローリングは熱に弱く、ホットカーペットやこたつなどの保温家電を直接床に置くと、無垢材が乾燥して変形する可能性があります。
そのため、無垢材の家では暖房器具をフローリングなどで直接使用することは厳禁。
寒い冬には、家全体の断熱性能を高めることで室内の温かさを保ったり、無垢材の特性を理解した上で温かい家を保つ対策が必要です。
コストがかかる
無垢材は、木を切り出したまま使用するため、乾燥や加工に時間と手間がかかります。
そのため、合板や集成材に比べて生産効率が低く、コストが高くなりがちに。
ただ、木材の種類や仕上げ、使用面積によっても費用は変わるため、必ずしも無垢材が高額とは限りません。
丈夫で長く使えることを考えて、一生モノの投資という目線で選んでみても良いでしょう。
30年後はどうなる?|無垢の家の経年変化
どの家にも言えますが、マイホームは長期に渡って住むことになるため経年による変化は避けられません。
特に無垢材は、木材一つ一つの風合いの変化を楽しめる反面、劣化も目立つようになってきます。
ただ、無垢の家の寿命は30年~50年、良質な無垢材を使用していれば100年持つとも言われています。
それでは、無垢の家は経年によってどのように変化していくのでしょうか?ここからは、無垢の家の経年による魅力や、デメリットについて解説していきましょう。
経年変化で生まれる魅力
無垢の家は、経年によって生まれる木材の変化が大きな魅力でもあります。
無垢材は、10年、20年と経っていくと木目が明瞭になり、ツヤや温かみが増していく素材。
色合い濃く、さらに深みを増していくことで風格に重厚感が生まれ、気品に感じられる家に変化します。
生活していく上で傷やシミが付いてしまっても、全体の色調が濃くなるため、馴染んで気にならなくなるでしょう。
むしろ、年月が経つにつれて傷やシミにも愛着が湧くことになるのかもしれません。
無垢の家の最大の魅力は、そんな家族の思い出と成長を共有できることです。
経年変化によるデメリット
無垢の家は、耐久性の高さや質感の変化を楽しめるメリットがある反面、やはり経年劣化によるデメリットもあります。
- 調湿作用により隙間や反りが生まれる
- 変色する
調湿作用により隙間や反りが生まれる
無垢材は湿度に応じて吸湿・放湿を繰り返し、季節によって膨張や収縮が起こります。
特に乾燥する冬には木材が収縮するため、床や壁に隙間を生じさせ、見た目やホコリの溜まりやすさなどはあるでしょう。
また、湿度の変化による木材の調湿作用が強いため、反りや割れも発生する可能性も。
反りや割れを防ぐためには、施工時に含水率が適切に管理された無垢材を使用することが重要です。
変色する
使用する無垢材によって変色の度合いや色合いは違いますが、無垢の家は経年により全体的な色が変わり、新築の時とは雰囲気が少し違ってきます。
経年で変化するのは、無垢材の良さでもあり、デメリットでもあります。人によっては、この経年による変色が受け入れられない人もいるでしょう。
経年による味を楽しめない人には、無垢の家はあまりおすすめできません。
30年後のイメージ
無垢の家が30年経つと、外観は風雨や紫外線の影響で木目が深まり、味わい深さを持つようになります。
ウッドデッキなどにも木材が使われていれば、長い年月が経ったことで、よりその品質の良さが際立つ風合いへと変化しているでしょう。
他にも、無垢床や内装では色合いや木目がより明瞭になり、ツヤも増し、風格と気品を感じさせる住まいへと変化しているはずです。
美しく保つのに定期的なメンテナンスもちろん必要ですが、30年以上経っていても、廃れではなく美しさと温かみを楽しむことができるでしょう。
無垢の家を美しく保つ方法とは?|メンテナンスのコツ
無垢材は丈夫で長持ちしますが、長い間美しく保つためにメンテナンスはやはり欠かせません。
ここからは、30年後でも美しい無垢の家を維持するためのコツをご紹介します。
湿度管理を適切に行う
無垢材は天然の切り出した木をそのまま使用しているため、湿度の変化に敏感で、湿気が多いと膨張し、乾燥すると収縮します。
この収縮によって隙間が生じたり、乾燥が進むと木材が割れてしまうこともあるため、長く美しく保つためには、適切な湿度管理が大切です。
加湿器などを活用して室内の湿度を適切に保つことができれば、木材の変形や割れを防ぎ、無垢の家の美しさを維持できるでしょう。
水分は素早く拭き取る
無垢材は吸水性が高く水分を放置すると、歪み・反り・シミ・変色などの原因となるため、無垢の家を美しく保つためには、水分を素早く拭き取ることが大切です。
食べこぼしや水滴は、乾いた雑巾や固く絞った雑巾で速やかに拭き取ることで、木材へのダメージをできるだけ防げます。
特に小さなお子さんがいる家庭では、こまめな掃除や食事場所の工夫、マットの使用などで汚れの広がりを防ぎ、無垢材へのシミや変色を常に意識しましょう。
床材はマメにメンテナンスを行う
無垢の家の美しい空間を保つためには、床材の定期的なメンテナンスはやはり欠かせません。
無垢材に水分は大敵のため日常の掃除は乾拭きまで行うのが基本ですが、半年から1年に一度は、自然オイルやワックス、専用クリーナーで床材の手入れが必要です。
特に、よく歩く場所や汚れやすい箇所は、再塗装やワックスがけを行うと、木の光沢を保ちながら無垢材を長持ちさせられます。
定期的に必要なメンテナンスを行えば、無垢材本来の美しさと温かみをより長く楽しむことができるでしょう。
適度に無垢材以外を使用する
キッチン・トイレ・洗面所など水分が多く、特に汚れやすい場所に無垢材を使用すると、シミなどで汚れは残りやすくなります。
定期的な掃除や、水分・油分が付着したら即座に拭くことを習慣付けできれば良いですが、水回りへの無垢材の使用はあまりおすすめできません。
もしシミなどの跡残りが気になるのであれば、水回りには無垢材以外の素材を使うのを検討してみましょう。
まとめ|無垢の家の30年後はメンテナンス次第で大きく変わる
今回は、無垢の家の30年後をテーマに、無垢材の経年変化の魅力やデメリット、長く保つためのコツを解説しました。
無垢の家の風合いや温かみは、他の素材にはない美しさがありますが、やはり経年による劣化は生じます。
経年による無垢材の変化を、美しくするのか、廃れさせるのかは、定期的なメンテナンスに掛かっていると言えるでしょう。
新築での無垢材の風合いだけでなく、経年による変化やメンテナンス性も考慮に入れながら、無垢の家を検討してみてください。
木の花ホームでは、長年の建築経験や豊富な技術をもとに、住みやすい家づくりをご提案しています。
栃木に根ざし、土地を活かした高品質な家づくりをしています。
注文住宅のマイホームをお考えでしたら、大工が支える木の花ホームにぜひ一度お気軽にご相談ください。