【注文住宅】無垢材と集成材の違いとは?強度や見分け方についても解説
注文住宅で家を建てる際には、建物を構成する木材にも注目されるのではないでしょうか。
家づくりに使用される木材には、主に無垢材と集成材があり、それぞれの特徴を知っておくことが大切です。
この記事では、無垢材と集成材の違いについて解説します。
見分け方や30年後の比較についても参考にしてください。
この記事のポイント
- 無垢材と集成材の違いを解説します。
- 無垢材と集成材の見分け方についてご紹介します。
- 30年後の比較についてもご紹介します。
目次
無垢材と集成材はどっちがいいの?
「無垢材」や「集成材」に一般的なイメージを持ち「どちらがいいのだろう?」とお考えになるかもしれません。
それぞれに特徴があり、そのメリットを活かした家づくりをしたいものです。
ここでは、無垢材と集成材が持つ質感やコスト面の特徴をご紹介します。
自然の風合いを楽しむ無垢材
無垢材の良さは、何と言っても自然の風合いや温かみが感じられることです。
肌ざわりも良く、深呼吸すると無垢材の香りがやさしく広がります。
また、無垢材には調湿機能があり、水分を吸収したり放出したり室内の湿度を快適に保つことが可能です。
一方、無垢材は1本の木から切り出す貴重な木材で、コスト面では集成材より割高になります。
また、木材が湿度環境に影響を受けやすく、冬の乾燥する時期には木材に反りや割れが生じるケースもあります。
コストパフォーマンスの高い集成材
一般的に無垢材よりも集成材はコストパフォーマンスの高い建材です。
いくつかの小さな木材を接着剤で張り合わせて大量に生産できるからです。
加工がしやすいため、厚さや長さなど様々な形状のものが入手できます。
そのため、一本の木からしか取れない無垢材に対して、小さな木片を組み合わせて作られる集成材はコストを抑えられる点が魅力の一つです。
ホームセンターなどでもお手頃な価格で、テーブルなど集成材の商品を手に入れることができます。
無垢材と集成材の違い
無垢材と集成材には、質感やコスト面以外にも様々な違いがあります。
快適な家づくりでは、木材の特性を十分に活かすことが重要なポイントです。
ここでは「強度」「見分け方」「使用する場所」についてご紹介します。
強度
木材の強度は、水分含有量が大きく関係します。
湿度環境により、木材は膨張や収縮を繰り返し、反りや割れの原因となるからです。
集成材は、合板前にしっかり木材を乾燥させ製造されるため、水分含有量が安定しています。
一方、無垢材は業者によって乾燥具合が異なり、水分含有量など品質管理のばらつきが生じます。
また、天然素材である無垢材は、強度が均一ではありません。
無垢材の強度には、硬木や軟木など樹種や、節や年輪なども関係するからです。
そのため、無垢材で強い家を建てる際には、建材の品質管理がしっかりした業者を選ぶ必要があります。
見分け方
無垢材と集成材は、見分けがつきにくいものもありますが、いくつか見分けるポイントがあります。
1本の木から取り出される無垢材は、木目が途切れず連続しているように見えるでしょう。
また、無垢材には、節や色むらなど天然素材ならではの特徴があり、高級家具にも利用されてきました。
加工方法によっては、表面に凹凸があり、触れると木そのものの質感や温かみが感じられます。
一方、集成材は異なる木材を張り合わせるため、木目が途切れている場合が多くあります。
木目が分かりにくいものでも、テーブルの天板の下などに継ぎ目が見えることもあるでしょう。
また、木材を張り合わせて厚みを出すため、層が見えるのも特徴です。
さらに、多くの集成材は、表面に塗装やコーティングが施されているため、凹凸のないツルツルとした滑らかな感触を得られるでしょう。
使用する場所
無垢材と集成材には、一般的に注文住宅で使用する場所の違いがあります。
集成材は強度があるため、建物の土台や柱、梁など構造材に使用されます。
また、変形しにくい性質があり、窓枠や階段のステップなどにも利用可能です。
一方、無垢材は見た目や感触を重視したい場所に活用されるケースが多いでしょう。
例えば、天井材、壁材など内装材や床材への活用です。
フローリングに無垢材を使用すれば、年中素足で快適な暮らしができます。
また、無垢材を柱など構造材に使用する場合には、反りや割れなどが発生しにくいよう木材の品質管理が大変重要です。
適切な水分量のほか、硬さや耐久性に優れた木材を使用しなければなりません。
木材には柔らかくて軽い「辺材」と硬さや耐久性の優れた「心材」があることをご存じでしょうか。
心材の無垢材を使用すれば、強度のある住まいづくりが可能です。
無垢材と集成材の30年後の比較
無垢材か集成材かといった違いは、家が真新しい時期には分かりにくいかもしれません。
ただし、30年ほどの年月が経てば、さまざまな違いを感じられるでしょう。
ここでは、無垢材と集成材の30年後の比較をご紹介します。
接着剤の劣化が進む集成材
集成材のデメリットの多くは、木材を貼り合わせる接着剤によるものです。
日本の高温多湿な環境で30年経てば、接着剤が劣化することも考慮しておかなければなりません。
柱や梁に使用される集成材の接着力が落ち、剥がれが発生するリスクがあるからです。
新築から15年ほど経過すると、接合部などにはがれが発見されるケースもあります。
とくに、西日の当たるエリアや水回りなど、湿気の影響を受けやすい場所は経年とともに注意しなければなりません。
近年では、木片を複雑な構造で組み合わせるフィンガージョイントという技術も開発され、より強度のある集成材が入手できます。
ただし、フィンガージョイントの製品にも接着剤のリスクはあるため注意しなければなりません。
また、接着剤に含まれるホルムアルデヒドなどの化学物質を心配する方もいるでしょう。
とくに小さなお子さんや高齢者には、シックハウス症候群やアレルギーのリスクがあるため注意が必要です。
現在は低ホルムアルデヒド製品も増え、接着剤の化学物質のリスクは軽減されつつあります。
耐久性の高い無垢材
古い家屋や神社仏閣に見られる通り、無垢材には30年から100年ほども長持ちする耐久性が期待できます。
また、経年による色合いの変化を味わい、楽しめるのも魅力です。
ただし、無垢材の家を長持ちさせるには、適切な施工やメンテナンスがとても重要です。
無垢材の家を建てるなら、木材の品質を重視し、豊富な施工実績のある施工会社を選びましょう。
樹種選び、含水率、防蟻処理などにこだわった無垢材であれば、耐久性があり、長く快適に住み続けられる家になります。
また、無垢材は定期的なメンテナンスも必要です。
住み始めてからシロアリやダニなどの害虫や、水分で腐食が発生するケースもあるからです。
アフターケアが充実した施工会社を選べば、長い年月が経過しても美しい無垢の家で安心して暮らせます。
木材の良さを活かした家づくりをしよう
今回のコラムでは、無垢材と集成材の違いについて解説しました。
天然素材の無垢材は、適切な管理をすればいつまでも長持ちします。
香りや肌ざわりなどぬくもりを感じる、ふたつとない愛着のある我が家になるでしょう。
また、集成材は、コストパフォーマンスの高さや強度が魅力。
木材の特徴を活かした理想の家づくりをしてください。
木の花ホームでは、長年の建築経験や豊富な技術をもとに、住みやすい家づくりをご提案しています。
栃木に根ざし、土地を活かした高品質な家づくりに取り組んでいます。
注文住宅のマイホームをお考えでしたら、大工が支える木の花ホームにぜひ一度お気軽にご相談ください。