高気密高断熱の家は気持ち悪い?不快な理由や快適な家づくりを解説
高気密高断熱の家は、室内環境を快適に保ち、エネルギー効率を高める住まいです。
しかし、住む人によっては「気持ち悪い」と不快感を抱くこともあります。
この記事では、高気密高断熱の家が「気持ち悪い」とされる理由や対策を解説します。
快適な家づくりのポイントについても参考にしてください。
この記事のポイント
- 高気密高断熱の家が気持ち悪いと言われる理由を解説します。
- 高気密高断熱の家の特徴をご紹介します。
- 高気密高断熱の家づくりのポイントをご紹介します。
目次
高気密高断熱の家は気持ち悪い?
高気密高断熱の家づくりは、環境保護を目的に国が推進する取り組みの一つです。
外気の影響を受けにくい室内環境を好む人がいる一方で、気持ち悪いと感じる人もいます。
特に、自然の風や空気を好む方や、湿気やカビが気になる方の中には、高気密高断熱の家は必要ないと考える人がいるのです。
高気密高断熱の家を「気持ち悪い」と感じる4つの理由
高気密高断熱の家が「気持ち悪い」と感じられる理由には、いくつかの要因が挙げられます。
ここでは「空気の流れ」「湿気や匂い」「乾燥」「閉塞感」について解説します。
理由1:空気の流れが悪い
家を高気密高断熱化するためには、外気が入り込みにくい環境をつくらなければなりません。
そのため、室内の空気の流れが悪く、「こもっている」「よどんでいる」「息苦しい」と感じることもあるでしょう。
また、換気が不十分であると、室内の二酸化炭素濃度が上がり、頭痛やだるさを引き起こすこともあります。
理由2:湿気や匂いがこもる
高気密高断熱の家は「風通しが悪い」「湿気が逃げない」「匂いがこもる」などのデメリットがあります。
キッチンやお風呂場、ランドリールームでは、湿度が上がりカビが発生しやすく注意が必要です。
梅雨や湿度の高い時期には、壁や窓ガラス、押し入れやクローゼット、家具の裏側のカビや結露に注意してください。
また、調理やたばこの匂いも室内に残りやすく、通気性を高める計画的な換気設計が必要です。
理由3:乾燥しやすい
高気密高断熱の家は、乾燥しやすく、室内の湿度管理が欠かせません。
冬場の乾燥した外気を換気で取り込み、室内で暖めると空気が膨張します。
結果として、同じ体積の空気に含まれる水蒸気量が少なくなり、乾燥を引き起こします。
室内が乾燥すると、鼻やのど、肌のかゆみで気持ち悪く、また、部屋が寒いと感じるかもしれません。
室内の湿度は、40%〜60%が理想です。
適切な湿度を保てなければ、同じ室温でも体感温度が変わってきます。
そのため「適切な換気設計を行う」「調湿機能のある建材を使用する」「加湿器を使用する」「室内干しを利用する」など湿度対策が必要です。
理由4:閉じ込められたように感じる
高気密高断熱の家は、窓の数が少ないという特徴があります。
窓を減らし気密性を高め、空調や換気設計で室内環境を整えるためです。
窓が少なく自然光が入りにくい環境では、室内が暗く、閉じ込められたように感じる人もいます。
窓の大きさや配置に配慮し、心理的な要因を取り除くために、家の内装に自然素材を取り入れたり、観葉植物を置くなど工夫しましょう。
高気密高断熱の家の3つのメリット
高気密高断熱の家には、たくさんのメリットがあります。
ここでは「室内の温度差」「光熱費の削減」「アレルギー対策」の3つのメリットをご紹介します。
メリット1:室内の温度差を減らせる
家を高気密高断熱化すると、家全体の温度を均一に保てます。
特に、冬には玄関やトイレ、お風呂場が寒く、室内の温度差でヒートショックを起こすリスクには注意しなければなりません。
高気密高断熱の家なら、家中どこにいても温度変化が少なく、快適で健康的な暮らしができます。
メリット2:光熱費が削減できる
高気密高断熱の家では、暖冷房の効率が上がり、エアコンなど暖房器具の使用を減らせます。
そのため、高騰する光熱費の削減ができ、省エネな暮らしが可能です。
ただし、高気密高断熱の家には、高額な初期費用がかかります。
光熱費などのランニングコストは削減できますが、設備の導入コストを回収するまでには時間がかかるでしょう。
初期費用をどれぐらいの期間で回収できるのか、しっかりシミュレーションしておくことが大切です。
メリット3:アレルギーのリスクを減らせる
春先の花粉やPM2.5が飛ぶ時期には、鼻や目がムズムズして気持ち悪い人も多いでしょう。
高気密高断熱の家は、外気の影響を受けにくいため、室内の温度差が少ないだけでなく、アレルギーのリスクを減らせます。
外気の汚れやアレルギー物質が室内に入り込みにくく、花粉やアレルギーに悩む人も室内で快適に暮らせるでしょう。
高気密高断熱の家づくりのポイント
高気密高断熱の家が気持ち悪いと感じるのは、その家の住宅性能が大きく関係しています。
ここでは、性能の高い快適な家づくりのポイントを解説します。
「断熱性能」「間取り」「換気設計」「モデルハウス見学」について参考にしてください。
断熱性能を重視する
快適な高気密高断熱の家を建てるには、さまざまな種類の中から高性能な断熱材を選ぶことが重要です。
また、施工が不十分であると、建物の隙間から外気が入り込み、断熱性能が大幅に下がります。
特に、隙間のできやすい換気扇や給排気口、電気配線の気密処理が大切です。
また、熱の出入りの多い窓やドアの開口部の断熱性能も重視してください。
ペアガラスやトリプルガラスなど複層ガラスや断熱性の高い樹脂サッシがおすすめです。
間取りを工夫する
開放感のあるリビング階段、吹き抜けなどの間取りは空間が広くなる分、断熱性も下がる点には注意しなければなりません。
高気密高断熱の家では、室内の空気を閉じ込めることが大切だからです。
広い空間を仕切るには、カーテンや可動式仕切りを活用する方法もあります。
また、家全体を均一な温度にするためには、間取りに加えて暖冷房設備の配置も重要です。
室内の大きさに合った暖冷房器具を選び、効率よく暖冷房できるよう配置してください。
適切な換気システムを導入する
高気密高断熱の家は、換気設計が不十分であると空気がよどみ気持ち悪いと感じます。
通気性を高め、室内にきれいな空気を循環させるためには、適切な換気システムの導入が必要です。
中でも、熱を利用し、外気を室温に近づけて効率よく取り入れることのできる「第1種換気システム」がおすすめです。
初期費用はかかりますが、機械的に給気と排気を行い、効率よく換気できます。
導入後も、換気設備やフィルターを定期的に清掃し、換気効率を維持するよう気をつけてください。
展示場やモデルハウスで実物を体感する
高気密高断熱の家は、初めて住む場合には、空気の質感や環境変化に慣れず気持ち悪いと感じるケースもあります。
そのため、家を建てる前に展示場やモデルハウスで実物を体感することをおすすめします。
空気の流れや室内の明るさ、音の響き方などを実際に体感でき、不快感を覚えるかを判断できるからです。
実際に建てられた家なら、外の騒音の響き方なども感じられ、実際に住んでからの後悔を減らせるでしょう。
高気密高断熱の家で健康に良い暮らしを
今回のコラムでは、高気密高断熱の家が「気持ち悪い」と言われる理由を解説しました。
高気密高断熱の家は、室内の温度差を減らし、快適で健康的な暮らしが実現します。
一方、気密性の高さゆえ室内環境に不快感を感じるケースもあります。
断熱性能や換気設計にも十分に配慮して、理想の家づくりをしてください。
木の花ホームでは、長年の建築経験や豊富な技術をもとに、住みやすい家づくりをご提案しています。
栃木に根ざし、土地を活かした高品質な家づくりをしています。
注文住宅のマイホームをお考えでしたら、大工が支える木の花ホームにぜひ一度お気軽にご相談ください。