吹き抜けはなぜ寒いの?寒い理由と暖かい部屋にするための対策を解説
明るく開放的な空間になる吹き抜けは、大変人気があります。
一方、住み始めてから「吹き抜けは寒い!」と後悔するケースも多いのです。
こちらの記事では、吹き抜けが寒い理由や、寒さを解決するための対策を解説します。
快適な暮らしを実現する吹き抜けの施工事例についてもご紹介しましょう。
目次
吹き抜けがあると寒いのはなぜ?
吹き抜けがある家が寒いと言われる理由には3つあります。
「広い空間」「空気の性質」「家の断熱性」について確認していきましょう。
広い空間
吹き抜けは、天井をなくし上下階をつなげた高さのある空間です。
通常の広さに合わせた暖房器具であっても、大きな空間を十分に暖められない可能性があります。
空調設備を選ぶ際には、空間の大きさに合わせた性能を考えなければなりません。
空気の性質
空気は温度や湿度によって重さが変わり、冷たい空気は重いため、部屋の下部にたまります。
一方、暖かい空気は軽いため上昇して、部屋の中で暖かい空気の層と冷たい空気の層に分かれるのです。
高い位置に設置したエアコンの暖かい風は上昇してしまい、部屋の下部が暖まらず、部屋の中が寒いと感じる原因となります。
断熱性
せっかく部屋を暖房器具で暖めても、その暖気を閉じ込めるための家の断熱性が低いと、いつまでも部屋が暖まりません。
部屋で暖めた空気が断熱性の低い窓や床、壁から逃げてしまい、暖房効率が悪く光熱費も上がります。
断熱性が低い家の場合には、吹き抜けはやめておいた方が良いでしょう。
寒い吹き抜けの悩みを解決するための対策
寒い吹き抜けの悩みを解決する、具体的な対策を5つご紹介します。
寒い吹き抜けを解決するポイントは「空気の循環」「輻射熱(ふくしゃねつ)」「加湿」「間取り」「断熱性」です。
空気を循環させる
暖かい空気と冷たい空気を循環させることができれば、室内はグッと暖かくなります。
2層に別れた空気をかくはんするために、シーリングファンやサーキュレーターがおすすめです。
天井に取り付けたシーリングファンや、床に置いたサーキュレーターで、室内の上部にたまった暖かい空気の流れが変わります。
また、新築の家では、シックハウス症候群を予防するため2003年7月から24時間換気システムの設置が義務付けられました。
なかでも、吸気と排気の熱交換を行う「熱交換換気システム」を採用すれば、暖房の効率が上がります。
熱交換のない換気システムであれば、暖めた室内の空気が排出され、冷たい外気がそのまま吸気されるため、室温が下がり、ひんやりとした冷気を感じることも。
「熱交換換気システム」なら排出する室温の暖かい空気の熱を、吸気する冷たい外気にうつすことができます。
室温と吸気の温度差が少なくなり、夏でも冬でも、一年を通して室温を一定に保つことができるのです。
輻射熱(ふくしゃねつ)を利用する
足元を暖めるために、床暖房を取り付けるのも良い方法です。
ホットカーペットであれば、直接触れる場所を暖められますが、離れた場所では寒いままでしょう。
床暖房であれば、直接触れる部分にくわえて遠赤外線などの輻射熱により、床や壁など部屋全体が暖まります。
輻射式の暖房器具には、電気ストーブやオイルヒーター、薪ストーブなどもあります。
これらを効果的に使用して、足元から部屋全体を暖める工夫をしてみましょう。
部屋を加湿する
室内を暖かい空間にするためには、実際の部屋の室温とともに体感温度も重要です。
同じ室温であっても適度な湿度がある方が、しっかりと暖かさを感じられるからです。
快適な湿度は40%から60%とされ、この範囲であれば、乾燥やカビを防ぐことができます。
冬にエアコンを常に使っていると、部屋が乾燥しがちで、部屋を寒く感じているかもしれません。
加湿器などを使って、適度な湿度を保つことに注意してください。
部屋を仕切る
部屋の暖かさを閉じ込めるために、間取りを仕切ることも検討してみましょう。
玄関に吹き抜けがあるなら、玄関とLDKをドアや壁で仕切ると、吹き抜けの空間とくつろぎのスペースを分けることができます。
また、吹き抜けのあるLDKで、キッチンを半個室にして仕切ると暖房するエリアを絞れます。
暖房したい部屋を限定することで、暖房効率を上げ、リビングなどくつろぎのスペースを暖かくできるのです。
断熱性を高める
暖めた部屋の空気は、断熱性が低い住まいであれば、部屋の各部から逃げてしまいます。
冬には窓などの開口部からおよそ58%の熱が、窓から逃げることが分かっています。
暖気を閉じ込めるためには、第一に窓の断熱性を高めましょう。
窓にカーテンやハニカムスクリーンを取り付けて、外の冷気を遮断してください。
ハニカムスクリーンは、空気の層をもった構造をしており、窓の断熱性が高まります。
また、窓ガラスをペアガラスやトリプルガラスなど複層ガラスにして、サッシを樹脂サッシにすると窓の断熱性が格段に上がるでしょう。
省エネ効果も高く、結露の発生も抑えるなど多くのメリットが期待できます。
さらに、部屋と廊下など部屋の場所によって温度差があると、冬場にはヒートショックなどの心配もあります。
家中どこにいても暖かい環境にするには、建物自体の断熱性を高めなければなりません。
窓にくわえて屋根・天井、壁、床に性能の良い断熱材を入れると、省エネで暖かい暮らしが可能です。
吹き抜けのある家の施工事例
住宅性能を重視した住まいでこそ、吹き抜けのある快適な暮らしが実現します。
吹き抜けの寒さを対策するには、家の断熱、気密や換気の性能がとても大切です。
当社の断熱性能は、次世代基準のUA値0.18〜0.48を実現し、外気に影響を受けにくく暮らしやすい家づくりをしてきました。
また、24時間換気システムには、熱交換型の「第一種換気システム」を採用し、機械で強制的に換気して、熱交換で室温を一定に保っています。
当社の快適な吹き抜けの住まいをご紹介しましょう。
明るくスタイリッシュなリビング
自然の光がたっぷり差し込む、明るい吹き抜けのリビングです。
落ち着いた上品なデザインのインテリアでまとめています。
上の階の家族ともコミュニケーションが取りやすく、家族を近くに感じながら過ごすことができるのも魅力です。
開放感と温かみのあるリビング
天井が高く、広々とした吹き抜けのリビングです。
いくつかの種類の照明を取り入れ、夜間でも明るく実用性も兼ね備えた設計をしています。
また、要所には温かみのある木材を使って、落ち着いたくつろぎのスペースになりました。
省エネな家に使える補助金
断熱性が高い住宅を新築する場合には、国の補助金をぜひ活用してください。
省エネを実現する質の高い住宅取得を国が支援しています。
子育て世帯と若者夫婦世帯が対象で、補助額は次の通りとなります。
・長期優良住宅:100万円/戸
・ZEH住宅:80万円/戸
令和6年3月下旬ごろから交付申請が開始予定です。
まとめ
こちらのコラムでは、吹き抜けのある家が寒い理由や、寒さの対策について見てきました。
吹き抜けのある空間を暖めるためには「空気の循環」「輻射熱(ふくしゃねつ)」「加湿」「間取り」「断熱性」がポイントです。
窓と合わせて、建物の断熱性を高めると、省エネで一年を通して快適な暮らしになります。
性能の高い省エネ住宅取得には、国の補助金も活用可能です。
省エネでお財布にもやさしく、住み心地の良い理想の家づくりをしてください。
木の花ホームでは、長年の建築経験や豊富な技術をもとに、住みやすい家づくりをご提案しています。
快適性だけでなく省エネで、長持ちする住まいに定評があります。
栃木に根ざし、地域に密着した土地を活かす家づくり。
お客様の暮らしに寄り添って、人生を豊かにするため、人にも建物にも優しい家づくりをしています。
注文住宅のマイホームをお考えでしたら、大工が支える木の花ホームにぜひ一度お気軽にご相談ください。