バリアフリーの平屋で暮らす魅力|メリットとデメリット、注文住宅を建築する際の注意点も解説
「バリアフリーの平屋にはどのような特徴があるの?」
「バリアフリーの平屋に住む魅力はあるの?」
「メリットとデメリットを理解してから平屋の建築を決めたい」
これから新築住宅のプランニングを考えている方は、平屋に興味を持っているかもしれません。
ただ、新築住宅の建築で後悔しないために、平屋の特徴やメリット・デメリットについて十分に理解したいですよね。
今回の記事では、バリアフリーの平屋で暮らす魅力やメリット・デメリット、注文住宅を建築する際の注意点を解説します。
家族全員が安心安全に暮らせる住まいを建築するためにも、ぜひ最後までご覧ください。
この記事のポイント
- バリアフリーの平屋とは
- バリアフリーの平屋で暮らすメリット・デメリット
- バリアフリーの平屋を建築する際の注意点をご紹介します。
目次
バリアフリーの平屋とは
「バリアフリー」とは、障がいを持つ方や介護が必要な方、高齢者にとっての生活の障壁をなくすことを指します。
たとえば、段差をなくしたり車いすを使用しても広々としたスペースを確保したりするなど、生活する際に不便に感じることなく暮らせる住まいです。
つまり「バリアフリーの平屋」とは、障がいを持つ方や介護が必要な方、高齢者が安心して暮らせる平屋を指します。
バリアフリーに関連する法律には「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)」があります。
2006年(平成18年)12月20日に施行されたバリアフリー法。
しかし、建築物においてバリアフリー法が適用となるのは、特定建築物と特別特定建築物の2種類です。
国土交通省「バリアフリー法(建築物関係)法律の概要等」では、特定建築物と特別特定建築物を以下の通り定義しています。
【特定建築物と特別特定建築物】
- ・特定建築物:多数の者が利用する建築物(学校・病院・ホテル・共同住宅・老人ホーム・体育館・博物館・飲食店など)
- ・特別特定建築物:不特定多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する建築物(義務教育学校・病院・ホテル・老人ホーム・体育館・博物館・飲食店など)
上記の通り、戸建住宅はバリアフリー法が適用となりません。
ただし、住宅のバリアフリー化を検討している方は、家族の暮らしやすさを第一に考えることが重要であるため、住宅をプランニングする際に入念に打ち合わせをしましょう。
【参考】
おしゃれな平屋のスタイルについては、以下の記事でも解説しています。
平屋を検討している方は、本記事もあわせてご覧ください。
【新築】おしゃれな平屋スタイル4選!モダンデザインのアイデアをご紹介
バリアフリーの平屋で暮らすメリット
バリアフリーの平屋で暮らすメリットは、以下の通りです。
新築住宅の建築を検討している方は、ぜひバリアフリーの平屋に関して理解を深めてみてください。
家族のコミュニケーションが取りやすい
平屋の魅力の1つは、家族とのコミュニケーションが取りやすい点です。
1階部分と2階部分がある2階建ては、間取りを工夫しなければ家族の気配を感じにくくなります。
バリアフリーの平屋はリビングを中心に各部屋へ移動できるので、自然に家族が顔を合わせる機会が増えるでしょう。
外出時や帰宅時も、家族で挨拶を交わせるのが魅力ですね。
特に、子どもが成長すると自分の部屋で過ごす時間も増え、家族の会話が減ることに悩む方もいます。
長い年月をかけて家族と一緒に住み続けるマイホーム。
家族との時間を大切に暮らしたい方は、コミュニケーションが取りやすい平屋を選んでみてはいかがでしょうか。
生活の利便性が向上する
生活の利便性が向上するのも、バリアフリーの平屋に住むメリットです。
平屋は、生活動線や家事動線がコンパクトにまとまるのが特徴です。
浴室や洗面所、トイレも同じフロアにあるので、1階から2階へ移動する必要がありません。
部屋を移動する際のストレスを感じることがないため、高齢者や介護が必要な方も生活する上で、身体的な負担を軽減できるのが魅力です。
長期に渡って住み続ける住まいだからこそ、年を重ねても住みやすいマイホームを選ぶと安心です。
怪我を防止できる
バリアフリーの平屋での暮らしは、室内における怪我の防止にもつながります。
公益財団法人 長寿科学振興財団が運営する健康長寿ネット「高齢者の住宅内の事故」では、住宅で起こる高齢者の事故について記載があります。
住宅内で事故を起こしやすい場所は「居室」「台所・食堂」「階段」の順で、それぞれの割合は以下の通りです。
【住宅内で事故を起こしやすい場所の割合(20歳以上65歳未満の方の場合)】
- ・居室:35.1%
- ・台所や食堂:38.1%
- ・階段:12.9%
65歳以上の高齢者の住宅内事故は、転落や転倒が全体の50%を超えているとのこと。
擦り傷や打撲だけではなく、骨折などの重症を負ったり頭部を強く打ったりして、死亡事故を引き起こす危険性もあります。
高齢者が住宅内で怪我を負わないようにするためには、階段をなくしたり室内の段差をなくしたりするのが重要です。
大切な家族を怪我から守るためにも、安心安全な住まいで暮らしましょう。
【参考】
公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット|高齢者の住宅内の事故
耐震性に優れている
平屋は、耐震性に優れている点も安心できるポイントです。
日本は、全世界の中でも地震が多い国と言われています。
一般財団法人 国土技術研究センターによると、2011年〜2020年に地震が全世界で発生しているマグニチュード6.0以上の地震は1,443件。
日本で発生している地震は259回です。
全世界で発生するマグニチュード6.0以上の地震の17.9%は、日本で発生していると言えます。
地震から家族を守るためにも、住まいの耐震性は重視したいですよね。
平屋なら2階部分の重さが加わらないため、構造的に安定しているのが特徴です。
ぜひ、耐震性も意識して住まいのプランニングを行いましょう。
【参考】
一般財団法人 国土技術研究センター|国土を知る / 意外と知らない日本の国土 地震の多い国、日本
メンテナンスコストを抑えられる
バリアフリーの平屋で暮らすと、将来的に必要となるメンテナンスコストを抑えられる点も魅力です。
住宅の構造によって耐用年数は異なりますが、快適な住まいを維持するためにメンテナンスを行わなければなりません。
住宅産業協議会が公表しているメンテナンススケジュールには、メンテナンスが必要となる部位が紹介されています。
新築住宅での生活をスタートさせてから、5〜10年程度でメンテナンスが必要です。
たとえば、メンテナンスが必要な部位には、構造体・屋根・外壁・バルコニーなどがあります。
屋根や外壁のメンテナンスを行う際に足場が必要ですが、平屋は2階建てに比べて足場の費用を抑えられます。
足場の費用を抑えられるため、全体的にメンテナンスコストを削減できるでしょう。
住宅のイニシャルコストだけではなくランニングコストも考慮して、新築の建築を検討しましょう。
【参考】
無垢材+匠の技でつくる注文住宅「無垢のめぐみ」
バリアフリーの平屋で暮らすデメリット
バリアフリーの平屋で暮らすデメリットは、以下の通りです。
デメリットまで把握した上で、バリアフリーの平屋の建築を決めましょう。
広い土地を確保する必要がある
バリアフリーの平屋を建築するためには、広い土地を確保しなければなりません。
平屋は1階部分のみの住宅なので、2階建てよりも広い土地が確保できなければ、新築を建築できないケースもあります。
新築の平屋を建築する際は、住宅だけではなく土地も考慮してプランニングをすることが重要です。
敷地面積に対する建物の占有割合を「建ぺい率」と呼びます。
一方、敷地面積に対する建物の床面積割合(階数分の床面積)の割合を「容積率」と呼びます。
地域ごとに建ぺい率と容積率の上限が決められているため、希望通りの住まいを建築できないこともある点を覚えておきましょう。
新築のプランニングをする際は、必ず住宅を建築する土地の建ぺい率と容積率についても押さえておくことが大切です。
木の花ホームでは、住まいだけではなく土地のご相談も承っております。
新築の建築に関して不明点やお困りごとがありましたら、ぜひ当社にお問い合わせください。
日当たりが悪くなることもある
バリアフリーの平屋を検討している方は、日当たりが悪くなる可能性があることを押さえておきましょう。
周囲に高い建物がある場合は、太陽光が遮られて日中でも室内が暗く感じることがあります。
また、日当たりが良い部屋と悪い部屋をつくらないように「L字型」「コの字型」「ロの字型」など、間取りを工夫しましょう。
明るく開放感を感じられる部屋で過ごすために、方角にあわせて部屋の間取りを決めるのも良いでしょう。
平屋の建築後に日当たりで悩まないように、事前にシミュレーションを行うと安心です。
プライバシー面や防犯面で不安を感じやすい
プライバシー面や防犯面で不安を感じやすいのも、平屋の特徴です。
家族が生活する様子を周囲の人の視界に入りやすくなるため、異変に気づいてもらえるのが魅力。
しかし、通行人の視界に入ることでストレスを感じることもあります。
プライバシーを確保するためには、フェンスや門扉などの外構を設置するのも効果的です。
また、防犯面でも不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
平屋は室内への侵入リスクが高いため、十分に防犯対策を行う必要があります。
たとえば、音が出る砂利を敷いたり防犯カメラやセンサーライトを設置したりすると、不審者が侵入しにくい環境づくりができます。
浸水被害のリスクが高い
水害が発生すると、浸水被害のリスクが高まるのが平屋のデメリットです。
一般財団法人 国土技術研究センターによると、1時間に50ミリ以上の大雨が降る回数と土砂災害の平均年間発生件数が公表されています。
2012年〜2021年(平成24年〜令和3年)で、1時間に50ミリ以上の雨が降った平均回数は年間で約327回。
2012年〜2021年(平成24年〜令和3年)で、発生した年間の土砂災害の発生件数は1,450件。
気候や地形の関係から、日本では水害や土砂災害の危険性が高いと言えます。
平屋の場合は、水害や土砂災害が発生すると避難する場所がなくなることも。
さらに、床上浸水などの被害を受けると、復旧作業が必要となります。
浸水被害から住宅や家族を守るために、浸水想定区域内に住宅を建築するのを避けましょう。
栃木県の公式ホームページには浸水リスク想定図が公開されているので、あわせてチェックしてみてください。
【参考】
一般財団法人 国土技術研究センター|国土を知る / 意外と知らない日本の国土
バリアフリーの平屋を建築する際の注意点
バリアフリーの平屋を建築する際の注意点は、以下の通りです。
マイホームの建築で失敗しないために、ぜひ参考にしてみてください。
固定資産税が高くなる
2階建てと比べて、平屋は固定資産税が高くなる傾向があります。
固定資産税とは、固定資産(家屋)にかかる税金です。
広い土地が必要な点、基礎や屋根の面積が大きい点から、平屋は2階建てよりも固定資産税が高くなります。
固定資産税を支払うのは一度だけではなく、毎年支払う必要があります。
住宅の光熱費やメンテナンスコストに加え、固定資産税が高額になる点も考慮してマイホームの建築を検討しましょう。
住宅の性能も重視する
バリアフリーの平屋を建築する際、段差をなくしたり各部屋に広いスペースを確保したりするなど、住宅の構造を重視する方もいるでしょう。
ただ、住宅の構造だけではなく性能も意識して、プランニングを行うのが重要です。
特に、高齢者が快適に暮らせるバリアフリーの平屋に住みたい方は、室内環境を整えましょう。
たとえば、高齢者が暑さや寒さを感じないように、断熱性能に優れた住まいを選ぶと安心です。
断熱性能とは、部屋の内と外の熱の移動を防止する性能を指します。
断熱性能が高いと暑さや寒さを感じにくくなるため、家族の健康を第一に考えた住まいで生活ができるでしょう。
住宅に使われることが多いのが鉄やコンクリートですが、断熱性能を高めるためにも熱が伝わりにくい無垢材を使用した住まいがおすすめです。
無垢材は温かみを感じられる上、調湿作用もあるため室内の快適な湿度を保ちます。
補助金や助成金を活用する
バリアフリーの平屋を建築する際、建築コストが高額になるのを心配する方もいるでしょう。
ただし、お住まいの地域によっては、国や地方自治体の補助金や助成金を活用できます。
建築費用を抑えるためにも、補助金や助成金を活用しましょう。
たとえば、栃木県栃木市の補助金や助成金を例に紹介します。
栃木市における住宅の建築や購入で活用できる支援制度は、以下の通りです。
【栃木市における住宅の建築や購入で活用できる支援制度】
- ・まちなか定住促進住宅新築等補助金(市内住み替え補助金)
- ・まちなか定住促進住宅新築等補助金(IJU(移住)補助金)
- ・多世代家族住宅新築等補助金
- ・市街化調整区域等空き家購入補助金
栃木市の補助金や助成金については、栃木県の公式ホームページに掲載されています。
詳細は、以下リンクからチェックしてみてください。
【参考】
栃木県|個人住宅向け支援制度について(栃木市) 住宅の建設・購入や増改築に関する支援制度
【施工事例】無垢材をたっぷりと使用した平屋の二世帯住宅
こちらは、無垢材の温もりを感じられる栃木市T様邸です。
高気密高断熱な家なので、夏は涼しく冬は暖かい点も魅力。
親世帯のLDKには「八溝杉」「オーク」を採用し、和室には「けやき」を採用しています。
一方、子世帯のLDKには「ウォルナット」を採用。
親世帯と子世帯が好みの無垢材を使用した、こだわり抜いた住まいが完成しました。
高気密高断熱の家については、以下記事で詳しく解説しています。
一年中、快適に過ごせる住まいを建築するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
住んでみてわかる!高気密高断熱の家のメリットやデメリットを解説
生活に不便さを感じないバリアフリーの平屋で暮らしましょう!
今回は、バリアフリーの平屋の魅力やメリット・デメリット、注文住宅を建築する際の注意点を解説しました。
高齢者との暮らしや家族の将来を考えて、バリアフリーの新築を検討している方もいるのではないでしょうか。
生活のストレスを感じず、快適な暮らしを実現できるのが平屋の魅力です。
平屋の注文住宅を建築する前に、ぜひ参考にしてみてください。
木の花ホームは、栃木県で「ずっと、いい家」をコンセプトに、地域密着で注文住宅の建築を行っています。
「住むほどに、好きになる」がコンセプトの、無垢材にこだわった注文住宅「無垢のめぐみ」を提供させていただいております。
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無垢材で注文住宅を検討中の方は、ぜひモデルルームにご来場ください。
無垢材+匠の技でつくる注文住宅「無垢のめぐみ」