スタイリッシュなフラットルーフの住まい|特徴や設置のポイントを解説
木造住宅においても三角屋根ではなく、平らなフラットルーフを採用するご家庭が増えました。
「フラットルーフの屋上で何をしようか」と家族で計画を立てるのは楽しいものです。
この記事では、フラットルーフの屋根のメリットやデメリットを解説します。
設置のポイントについてもぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
- フラットルーフのメリットやデメリットを解説します。
- 注文住宅でのフラットルーフ設置のポイントをご紹介します。
目次
フラットルーフの屋根とは?
フラットルーフの屋根とは、傾斜の少ない平らな屋根で陸屋根(ろくやね)とも呼ばれます。
外観がモダンでスタイリッシュな印象になり、また屋上スペースをバルコニーとして利用可能です。
ただし、平らな屋根はデメリットもあり、長く快適に使い続けるためには適切なお手入れが必要です。
フラットルーフの3つのメリット
フラットルーフには、外観のほかにもたくさんのメリットがあります。
「幅広い用途」「室内空間の広さ」「耐風性の高さ」について参考にしてください。
メリット1:多くの用途に利用できる
フラットルーフは、屋上の平らな広いスペースとして、さまざまな使い道があります。
日当たりが良いため「洗濯物を干す」「ガーデニングを楽しむ」「太陽光パネルを設置する」などに活用できます。
また、手すりや柵を取付け、屋外スペースとして子どもやペットが遊ぶことも可能です。
外からものぞかれにくく、ソファやテーブルを置けば家族でアウトドアの食事を楽しめます。
ジョイント式の人工芝やウッドパネルを敷きつめると、素足で歩いても気持ちの良い空間になるでしょう。
メリット2:室内空間が広がる
フラットルーフの屋根構造は、屋外の利用だけでなく室内環境にも良い影響があります。
三角屋根にある屋根裏スペースがなく、室内のすぐ上が天井となるため、天井が高い部屋をつくれます。
天井の高い部屋は、広々と開放的な空間となり、家族での時間をくつろいで過ごせるでしょう。
メリット3:強風に強い
フラットルーフは風圧の影響を受けにくく、強風で屋根が飛んだり、破損したりしにくい屋根です。
フラットルーフの形状は、吹き下ろす風だけでなく、下から吹き上げる風にも強いのが特徴。
台風の多い沖縄県などにも多く利用される屋根で、耐風性の高い強度のある家づくりが可能です。
フラットルーフの3つのデメリット
スタイリッシュな外観を生みだすフラットルーフには、いくつかのデメリットもあります。
ここでは「水はけ」「日射」「メンテナンス」についてご紹介します。
デメリット1:水はけが悪い
平らな形状のフラットルーフは、屋根の上の雨や雪が流れにくく、水はけが悪いという点には注意しなければなりません。
水はけが悪い屋根は、雨漏りが発生しやすいからです。
また、大雪が降っても傾斜で雪が流れないため、雪国では雪の重みにも耐えられる設計が必要です。
近年の防水技術の向上によって、木造住宅にもフラットルーフを採用することが増えました。
ただし、木造住宅は雨漏りや漏水に弱く、発生すると家の劣化が急激に進みます。
木造でフラットルーフをお考えの際には、防水工事の施工実績も豊富なメーカーを選ぶことをおすすめします。
デメリット2:日射の影響を受けやすい
フラットルーフの住まいは、屋根にあたる日射の熱が下の部屋に伝わりやすく、夏場には暑くて部屋にいられないかもしれません。
勾配のある屋根の下には、日射熱を和らげる屋根裏がありますが、フラットルーフの家には屋根裏がないからです。
エアコンをつけていても部屋が暑く、光熱費も跳ね上がってフラットルーフにしたことを後悔するケースもあります。
快適なフラットルーフの住まいにするためには、建物の断熱性・気密性にこだわり、日射の影響を受けにくい屋根断熱の施工が必要です。
デメリット3:メンテナンスが必要
ほかの形状の屋根でも定期的なメンテナンスは必要ですが、フラットルーフはとくにこまめなメンテナンスが必要です。
防水のメンテナンスをして、雨漏りのリスクを減らさなければならないからです。
定期的な防水工事には次のような種類があります。
・FRP防水:ガラス繊維強化プラスチックを使用し、軽量で継ぎ目のない防水層を形成する。
・ウレタン防水:ウレタン樹脂を複数回塗り重ね、入り組んだ形状の屋根でも防水層を形成する。
・シート防水:塩化ビニールやゴムのシートを貼りつけ、凹凸のない防水層を短期間で形成する。
それぞれの防水層には10年〜20年ほどの耐用年数がありますが、何らかの症状がある場合には、早めにメンテナンスをしてください。
「色あせ」「ひび割れ」「剥がれ」「表面のふくらみ」の劣化症状ほか、天井から響く雨音にも注意が必要です。
梅雨の時期に入る前に、一度フラットルーフの状態を確認しておくことをおすすめします。
フラットルーフの家づくりの3つのポイント
フラットルーフの家づくりの3つのポイントをご紹介します。
「パラペットの設置」「アクセス方法」「長期優良住宅認定制度」について参考にしてください。
パラペットの設置
フラットルーフには、防水に役立つパラペットを設置しなければなりません。
パラペットとは、屋根の周囲の立ち上げ部分のことで、屋根とのつなぎ目に「内樋」を設けて排水する仕組みです。
パラペットによって外壁やサッシへの浸水を防ぎ、雨漏りのリスクを軽減します。
また、パラペットの周辺は設置後も定期的なお掃除が必要です。
排水口には枯葉や砂、ドロなどが詰まりやすく、雨漏りを引き起こす可能性があるからです。
コケなど植物が繁殖すると、植物の根で防水層が壊れるリスクもあるため注意してください。
バルコニーへのアクセス
バルコニーとしてフラットルーフを活用するためには、アクセスのしやすさも重要ポイントです。
大きな窓から出入りできると、バーベキューなどアウトドアグッズを運び出す際も安心でしょう。
また、スライド階段などではなく、直接居住スペースからアクセスできるようにしておくことで、メンテナンスコストを下げられます。
屋根の防水工事の際でも、足場を組む必要がないからです。
屋根塗装など修繕の際には、20万円〜30万円前後の足場費用がかかります。
部屋から直接アクセスできることで、15年から20年に一度行うメンテナンスの足場費用を抑えられるのです。
長期優良住宅認定制度の活用
断熱性・気密性などを高め、性能を重視した家なら、国の長期優良住宅認定制度の活用もぜひ検討してください。
省エネルギー性や耐震性、劣化対策などの項目基準をクリアし、数世代に渡って引き継いでいける新築の家に適用される制度です。
住宅ローンの引き下げ、所得税や登録免許税など税金面の特例措置、地震保険料割引などの優遇があります。
フラットルーフでアウトドア生活を楽しもう!
今回のコラムでは、フラットルーフの家づくりを解説しました。
フラットルーフはおしゃれな外観だけでなく、バルコニーとして活用すれば、家族のアクティビティの幅が大きく広がります。
理想のバルコニーにするには、防水性能や断熱性能にもこだわった家づくりが重要です。
リラックスできる屋外スペースのある住まいで家族の時間を楽しんでみませんか。
木の花ホームでは、長年の建築経験や豊富な技術をもとに、住みやすい家づくりをご提案しています。
栃木に根ざし、地域に密着した土地を活かす家づくりをしています。
注文住宅のマイホームをお考えでしたら、大工が支える木の花ホームにぜひ一度お気軽にご相談ください。