木造住宅のデメリットは何?メリットや鉄骨造との違いについても解説
家を新築する際には、木造や鉄骨造などの家の強度を比較検討されるのではないでしょうか。
木造の家は温かみのある住まいになる一方で、災害時の耐震性にリスクを感じているかもしれません。
この記事では、木造住宅のメリット・デメリットを解説します。
鉄骨造との違いについても参考にしてください。
この記事のポイント
- 木造住宅のメリット・デメリットをご紹介します。
- 木造住宅と鉄骨造りの強度について解説します。
目次
日本には木造住宅が多い
日本は森林資源に恵まれた環境のため、木造住宅の物件が多いとされます。
林野庁の令和3年のデータによると、新築の戸建て住宅の91%が木造です。
また、木造住宅の工法には主に2種類あります。
・木造軸組工法(在来工法):柱や梁、土台に木材を使用する伝統的な工法
・枠組壁工法(ツーバイフォー工法):木材で面をつくり組み合わせる工法
さらに木造住宅を建てるなら、工法に加えて木材のデメリットを知っておく必要があります。
強い木造住宅なら、変化に富む日本の気候にも適応でき、メンテナンスしだいで60年以上の寿命が期待できるからです。
木造住宅のデメリット
自然素材である木材は、木造建築の弱点ともなります。
ここでは、「耐久性」「防音性・遮音性」「品質のばらつき」といった木材のデメリットを参考にしてください。
耐久性に不安がある
木材のデメリットは、鋼材に比べて、日射や湿気など気候の影響を受けやすい点です。
そのデメリットにより、木造住宅は害虫やカビの被害にあうリスクがあります。
シロアリ被害が広がると、家の構造部分が腐食して建て替えが必要となります。
害虫被害を防ぎ、家の耐久性を伸ばすためには、家を建ててからも定期点検が欠かせません。
また、家の建築時には防腐・防蟻処理が施された構造材を使用することも重要です。
しっかり耐久性について対策がされた木造住宅は、古い寺社仏閣のように長持ちします。
防音性・遮音性が低い
賃貸の木造アパートに住んだことのある方なら、木造は音が漏れやすいというデメリットをご存じでしょう。
木造は他の素材に比べて、防音性が低く、家の中のトイレやお風呂の水の音、家族の話し声が外に漏れる可能性があります。
また、遮音性も低く、外の騒音が気になるかもしれません。
そのため、音が気になるなら、断熱性・気密性の高い家づくりがおすすめです。
構造部に施工する断熱材によって防音・遮音効果も期待できるからです。
木造住宅の防音性、遮音性を高める方法には、壁を厚くする、二重窓やペアガラスを採用するなどがあります。
品質にばらつきがある
鉄骨造や木造ツーバイフォー工法は、規格化された部材を工場生産し、現場で組み立てます。
一方、木造住宅の在来工法では、木材が規格化されておらず品質にばらつきが発生しやすいのがデメリットです。
また、在来工法は建築現場での作業が多く、家の強度などの仕上がりは職人の腕にかかっているとも言えます。
木造住宅の品質リスクを減らすには、熟練の職人がいて、使用する建材の品質にもこだわっている業者を検討してください。
また、木造住宅を強い家にするには、台風や地震など災害時に家にかかる負荷をシュミレーションし構造計算を行うことが重要です。
木造住宅のメリット
木造住宅には木材の温かみ以外にも多くのメリットがあります。
ここでは、「コスト面」「間取りづくり」「断熱性能」について参考にしてください。
コストを抑えられる
木造住宅は、鉄骨造、鉄筋コンクリート造などと比較して、建築コストを抑えられるというメリットがあります。
国税庁のデータによると、構造別の建築費用は次の通りです。
・木造・木造モルタル造:172.2(千円/㎥)
・鉄骨造:227.3(千円/㎥)
このように鉄骨造や鉄筋コンクリート造は、建材費が高い、工賃が高いなどコスト面のデメリットがあります。
また、建物自体に重量があるため、地盤改良のコストが必要となるケースもあるでしょう。
自由な間取りづくりができる
木造住宅のツーバイフォー工法は、面で区切るため大きな開口部を設けられないデメリットがありますが、在来工法であれば自由な間取りやデザインが選べます。
将来的にリフォームが必要な場合であっても、間取り設計の自由度が高く、ずっと住みやすい家づくりが可能です。
断熱性の高い家になる
断熱性や通気性の高い家は、家の中が快適なだけでなく、建物の劣化を防げます。
構造材の中でも木材は、鋼材に比べて調湿性や断熱性の優れた素材。
四季の変化に富む日本の住宅には、夏の暑さや冬の寒さ、湿気の対策に木材が適しています。
そのため、木造住宅では木材の性質を利用し、断熱性・気密性を効率よく高めた家づくりが可能です。
木造住宅と鉄骨造りはどちらがいい?
木造住宅は、大きな火災や地震などの災害には耐えられないデメリットがあると思われているかもしれません。
ここでは、木造住宅と鉄骨の強度をいくつかのポイントから比較しご紹介します。
鉄骨造(S造)は2種類
柱や梁の構造材に鋼材を使用する鉄骨造(S造)には2種類あります。
・重量鉄骨造:鋼材の厚さ6mm以上で、3階建て住宅やマンションに利用可能。
・軽量鉄骨造:鋼材の暑さ6mm未満で、2階建てや平屋の住宅に利用可能。
鉄骨造は、構造材自体に強度があるため、少ない柱で家を支え、大きな空間を作れるのが魅力です。
耐震性
地震の多い日本では、地震で建物が損壊・倒壊しないよう耐震性能を重視した家づくりが重要です。
中でも鋼材は強度があり変形しにくく、鉄骨造の方が木造住宅より地震に強いというイメージがあるかもしれません。
実際には、地震の揺れは、家の建物が重いほど大きな揺れにつながります。
鉄骨と比べて木材は軽く、同じ大きさの家であれば、木造住宅の方が揺れが小さいのです。
また、木材は地震エネルギーをたわみによって逃すことができます。
そのため、鉄骨造が倒壊するようなケースでも、木造で揺れに耐える構造設計が可能です。
地震エネルギーを吸収したり、受け流したりできるしっかりした基礎構造をつくることで、木造住宅で強い家づくりが実現します。
基礎部に加えて「耐力壁」「接合部」「屋根材」を重視し、耐震性の高い木造の家づくりをしてください。
耐火性
木造住宅は鉄骨造より燃えやすく、火災時には耐火性のデメリットがあると考える方も多いでしょう。
耐火性とは、火災が発生した際に建物がどの程度耐えられるかという性能。
火災時に人命や建物を守るために「建物が燃えて倒壊しない」「近隣への延焼を防ぐ」「消火活動までの時間を稼ぐ」ことが耐火性能の重要なポイントです。
なお、木材は燃焼する際に表面が炭化し、層をつくることをご存じでしょうか。
この炭化層により、木材内部に酸素が送られず、火災時に内部が保護されるのです。
そのため、木造住宅では、柱など家の構造が火災ですぐには倒れないという特徴があります。
一方、鉄骨の家では、鉄材は400℃を超えると、強度を保つことができず、変形し家が倒壊するリスクが高まります。
火災時には、5分ほどで500℃に達し、その後数分で1000℃近くにまでなるものです。
木造住宅の家は、木材の性質を活かし、耐火性能においても安全な家づくりができます。
木造住宅で強い家づくりをしよう
今回のコラムでは、木造住宅の持つメリットやデメリットを解説しました。
木造住宅は、建築コストを抑え、理想の間取りを追求できる魅力的な家です。
家を支える基礎構造にもこだわり、災害に強い理想の家づくりをしてください。
木の花ホームでは、長年の建築経験や豊富な技術をもとに、住みやすい家づくりをご提案しています。
栃木に根ざし、土地を活かした高品質な家づくりをしています。
注文住宅のマイホームをお考えでしたら、大工が支える木の花ホームにぜひ一度お気軽にご相談ください。