木造住宅の寿命は何年?耐用年数との違いや長持ちさせるコツを解説
新築の家を建てるなら、いつまでも長く住み続けたいと考えるのではないでしょうか。
木造住宅は、建て方やメンテナンスによって家が長持ちします。
この記事では、木造住宅の寿命について解説します。
また、寿命を縮める原因や長持ちさせるコツについても参考にしてください。
この記事のポイント
- 木造住宅の寿命と耐用年数の違いを解説します。
- 木造住宅にはどのくらい住めるのかを解説します。
- 木材の寿命を縮める原因や長持ちのコツをご紹介します。
目次
木造住宅の寿命と耐用年数とは?
住宅構造は主に「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の3種類です。
日本で多くの方が住む木造住宅の寿命は30年ほどというイメージをお持ちではないでしょうか。
国税庁が構造ごとに定める耐用年数表では、木造住宅建物の耐用年数は22年です。
このことから、木造住宅の寿命を30年ほどととらえている方も多いかもしれません。
ただし、法定耐用年数は取得した家の減価償却費や固定資産税の計算に使用されるものです。
つまり、「耐用年数」とは家の資産評価に使われるもので、実際に住める期間を表す「寿命」とは異なります。
実際には、木造住宅に50年を超えて住み続ける方もおり、木造住宅は長い寿命を持つ建物です。
日本の住宅寿命が短い理由
日本の木造住宅は30年ほどで取り壊されるケースが多く、他国と比べて住宅寿命が短いと言われます。
気候の違いなどもありますが、アメリカ55年、イギリス77年と比べても、日本では新築の家を利用する期間がかなり短いと言えるでしょう。
そのため、良い状態で長持ちする家を増やし、築年数の経った良質な家を評価するなど家の質が注目されるようになりました。
ここでは、日本の短い住宅寿命に影響を与えている「日本人の住宅の好み」や「中古住宅の評価」について参考にしてください。
新築が好まれる
住宅の間取りやデザインは、時代とともに変化しています。
また耐震性や断熱性など住宅性能も常に進化し、新しい技術が生まれています。
そして、日本人はそれらを中古の家にリフォームで取り入れる形ではなく、すべてのものを新しくすることを好みます。
古い家を取り壊し、建て替えて一新するケースが多いために日本の住宅寿命は短いのです。
中古住宅の評価が低い
日本では一般的に中古住宅の不動産が低く評価されてきました。
木造住宅は法定耐用年数により、新築から22年経過すると建物の固定資産税がゼロになります。
そのため、築年数の建った家の建物は資産価値が低く、中古住宅が評価されない一因です。
また、リフォームで家の設備を新しくすると、古くても住みやすい家となりますが、その価値を客観的に評価する基準がありません。
そのため、築年数の経った木造住宅は、どのような物件でも建物の経済的価値は法定耐用年数と同じく20年から25年までです。
中古住宅の不動産価値の低さが取り壊しにつながり、日本の木造住宅の寿命が短い要因と言えます。
木造住宅の寿命を縮める4つの原因
木造住宅の寿命を考える際には、木が持つ耐久性のデメリットについても知っておくべきでしょう。
立地や気候など環境により木材が影響を受け、木造住宅の経年劣化が進むからです。
ここでは、「雨漏り」「害虫」「地震」「地下水」といった木造住宅の寿命を縮める4つの原因をご紹介します。
原因1:雨漏り・漏水
木造住宅は経年劣化によって、木材が収縮し、反りなどが発生して雨漏りが起こりやすくなります。
屋根のほか、外壁や窓枠、サッシのすき間からの雨漏りには注意が必要です。
雨漏りの症状となる「天井や壁のシミ」「水の落ちる音」「カビのニオイ」などを放置すると、木材の劣化が急速に進み家の寿命が縮まります。
また、トイレやキッチン、浴室や洗面台など水回りの給排水管の水漏れにも注意してください。
水回りのパッキンの劣化、給排水管の老朽化による水漏れを放置していると建材が腐食し、家の寿命に関わります。
原因2:害虫
木造住宅では、構造材である木材に害虫がつき、家を劣化させるリスクもあります。
木材につくシロアリやキクイムシなどの害虫、カビなど菌類には注意が必要です。
これらの害虫や菌類は知らぬ間に住宅内部で繁殖し続けます。
害虫発生を防ぐには、入り込みにくい家づくりや、湿度・温度のコントロールができる換気設計がとても重要です。
原因3:地震
日本では多くの地域で大きな地震が発生しています。
地震で木造住宅が半壊・倒壊するリスクがあり、家の寿命を縮める原因ともなります。
新築では地盤の強い土地を選び、住宅の耐震性能を重視することで、家を長く守り続けることが可能です。
原因4:地下水
土地の地盤によっては、地下水が湧き出て、家の床下に浸水するケースがあります。
浸水すると、家の基礎や構造部の木材が劣化し、木造住宅の寿命が短くなるでしょう。
また、粘土層の厚い地盤の地域では、地盤沈下のリスクを考慮しておかなければなりません。
地下水を多くくみ上げることにより、粘土層が収縮し、地盤沈下につながるためです。
建物が傾く、浮き上がるなど住宅の寿命が縮まるため、家を建てる前に慎重に土地を検討しましょう。
木造住宅の寿命を伸ばすコツ
現在の日本の木造住宅は、物理的には60年以上住み続けることが可能と言われます。
ここでは木造住宅の寿命を伸ばし、より快適な暮らしを続けるコツをご紹介します。
定期点検を行う
木造住宅の寿命を伸ばすには、新築時から定期的に点検を行うことが重要です。
住宅の柱や床、建具の歪みや劣化具合を定期的に確認することにより、大きなトラブルを防げます。
また「屋根や外壁の雨漏り」「水回りの水漏れ」「家の内部や周囲の害虫被害」が発生しても、早めに見つけることができればすぐ対処できます。
その後の対策をすることで、家の寿命も伸びるでしょう。
そのため、家の建築後も定期点検が実施され、アフターフォローが整った住宅メーカーを選ぶと将来的にも安心です。
リフォームを行う
家の屋根や外壁は、定期的に塗装して修繕することで家を長持ちさせることが可能です。
また、トイレやキッチンなどの水回り、壁や床の内装設備も15年〜20年ほどで補修や交換が必要となるでしょう。
適切なタイミングでリフォームやリノベーションを行うことで、木造住宅の寿命が伸び、ずっと快適な暮らしが実現します。
質の高い家を建てる
木造住宅の寿命には、家を支える基礎部分や構造部分が大きく関係します。
そのため新築時に構造躯体のしっかりした家を建てることがとても重要です。
家の基礎や構造に問題が発生すると、取り壊して建て直す必要に迫られるからです。
また、断熱性や耐震性など住宅性能の高い家は、良い環境を保つことができ建物が長持ちします。
さらに、将来的に家族構成の変化による間取り変更や、高齢化に対応するバリアフリー化が必要となるかもしれません。
新築時に将来のリフォーム・リノベーションにも対応しやすい可変性のある家づくりをすることをおすすめします。
長期的な視点をもち、基礎や構造のしっかりした質の高い住宅を建てることが、家の寿命を伸ばす大切なポイントと言えます。
木造住宅でいつまでも安心な暮らしを
今回のコラムでは、木造住宅の寿命がどのくらいかについて解説しました。
木造住宅の寿命は法定耐用年数の22年ではなく、メンテナンスしだいで生涯住み続けられる住まいです。
適切な時期にメンテナンスやリフォームを行えば、いつまでも快適な暮らしとなります。
また、家の構造や住宅性能にこだわった家は、家族の大きな資産ともなるでしょう。
木の花ホームでは、長年の建築経験や豊富な技術をもとに、住みやすい家づくりをご提案しています。
栃木に根ざし、土地を活かした高品質な家づくりをしています。
注文住宅のマイホームをお考えでしたら、大工が支える木の花ホームにぜひ一度お気軽にご相談ください。